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研究成果

ジャーゴン失語を伴った鏡像型交叉性視床性失語の一例

右視床梗塞により失語症を呈した希少な症例についての報告が、CureusIF1.2)に掲載されました。右半球損傷による失語症は交叉性失語と呼ばれ、その発症率は非常に低いです。今回の症例は、右視床梗塞により失語症を発症し、左視床病変で観察される視床性失語の典型的な特徴を示しました。これらの点から、本症例は鏡像型交叉性視床性失語であると考えました。症例は自発話に乏しく非流暢性の発話でしたが、書字に関しては、意味がとれない文字を躊躇なく大量に書くジャルゴン失書が現れ、発話と書字で流暢性の乖離がみられました。この現象の機序として、左半球の書字運動記憶が右半球の言語機能から脱抑制した結果として生じた可能性を提案しました。

 https://www.cureus.com/articles/254161-a-case-of-mirror-image-crossed-thalamic-aphasia-with-jargon-agraphia#!/