パーキンソン病患者の視覚的探索
パーキンソン病患者の視覚的探索が標的の意義に影響されるかどうかを、視線解析装置と脳波の同時測定によって調べ、Brain and Behavior誌 (IF=3.1) に報告しました。無意味絵を見ている時の視線探索は健常者と変わりはありませんでしたが、動作絵や無意味絵を見ている時のサッケードは健常者よりも有意に少なく、動詞処理の視覚段階からの低下や過剰なトップダウン処理の影響が考えられました。パーキンソン病における視覚認知の低下は、眼球運動機能障害だけでなく、高次視覚情報処理障害によっても引き起こされる可能性があり、今回の結果は、パーキンソン病の診断・治療法の開発にも寄与する大変貴重な報告と思われます。
https://doi.org/10.1002/brb3.3404