自動車ペダル踏み間違い発生時の生体運動解析
踏み間違い事故の発生原因を追究する為に,実際に踏み間違いが発生した際の生体運動を詳細に解析し,交通科学学会誌で発表しました。Case1では,ヒラメ筋の活動性が不適切なタイミングで増加し,アクセルの踏み込みが認められました。Case2では,前脛骨筋とヒラメ筋が同期して収縮と弛緩を繰り返し,足先の揺れが認められました。Case3では,股関節の可動範囲が狭く,両ペダルの踏み込みが認められました。いずれの高齢者においても,関節運動,筋電図ともに異常波形が認められた為,運動制御能の低下が踏み間違い発生に関連した可能性が示唆されました。高齢者では認知機能に関わらず神経系や筋の老化によって無意識的に踏み間違いが発生する可能性があります。