脳卒中患者のStiff Knee Gait発生の原因
脳卒中後に発生する棒足歩行(Stiff Knee Gait:SKG)の原因について新たな知見をGait and Posture誌(IF=2.7)で発表しました。本研究では、遊脚期の膝伸筋の活動性が高い者と低い者でSKGの原因が異なるか調査しました。対象はSKGを呈する慢性期脳卒中片麻痺患者38例です。遊脚初期の麻痺側下肢の筋電図振幅から得られた主成分(膝伸筋の負荷量が大きい)の符号によって群分けをし、群間の比較と、各群で膝の運動学パラメータとその他の歩行パラメータの間で相関分析を行いました。膝伸筋の活動性が高いものでは、大腿直筋よりむしろ外側広筋の不適切な活動がSKGの原因となる可能性があり、膝伸筋の活動性が低いものではトゥーオフの足関節底屈速度低下がSKGの原因となる可能性が示唆されました。
https://doi.org/10.1016/j.gaitpost.2022.09.078