ブレーキ操作の安全性を分析した脳卒中後の一例
脳卒中後に片麻痺症状を呈した一例の自動車ブレーキ操作の安全性を調査し,交通科学学会誌で発表しました。実験には,三次元動作解析装置と表面筋電図を用いることで,科学的な分析を行いました。本症例は,ペダル踏み替えの際に足関節の背屈が不十分なままペダル操作を行っており,麻痺側でのペダル操作は危険性が高いことが示唆されました。また,麻痺側・非麻痺側いずれの肢を使用した操作においても屈筋と伸筋の同時活動性の増大という神経学的な異常を認めました。このような異常な筋活動は,繰り返しの運転操作の中で危険な操作を招いてしまう可能性については考慮すきであると考えられます。