ボツリヌス療法と理学療法の併用による歩行筋電 図の変化
脳卒中片麻痺患者に対するボツリヌス療法後の理学療法が歩行筋活動に及ぼす影響を世界で初めて明らかにし、European Journal of Physical and Rehabilitation Medicine誌(IF=4.5)で発表しました。本研究は、ボツリヌス毒素製剤(BoNT-A)施注単独群17例とBoNT-A施注と理学療法の併用群17例に対する比較対照研究でした。BoNT-A施注の直前および2週後に麻痺側下肢筋の歩行筋電図と歩行パラメータを計測しました。BoNT-A施注のみでは、立脚期のヒラメ筋の活動が低下し、歩行パラメータは変化なしもしくは悪化した。理学療法を併用することで立脚期の膝関節安定性に関与する筋の活動性が高まり、さらに遊脚時の異常筋活動が抑制され、多くの歩行パラメータに改善を認めた。下肢痙縮に対するボツリヌス療法後には理学療法を施行する必要性が高いことが示唆された。
https://doi.org/10.23736/S1973-9087.18.05168-7