高齢運転者における緊急ブレーキ操作の運動学的・ 電気生理学的特徴
高齢運転者による自動車踏み間違い事故の原因として神経と筋の老化が影響することを世界で初めて発見し、Healthcare誌(IF=3.2)で発表しました。本研究では、高齢者の緊急ブレーキに伴うペダル操作の運動生理学的特性を調査しました。対象者は75歳以上の高齢者と若年者で、視覚刺激に対する緊急ブレーキ時の下肢筋活動と関節運動を分析しました。結果として、高齢者ではヒラメ筋の活動性が高く、大腿直筋では活動開始の遅延が認められました。関節運動に関しては、高齢者は股関節内転速度が遅く股関節の内旋によって踏み換えを実行している傾向でした。このような若年者との運動制御の違いは足の不正確な軌跡を引き起こしペダルエラーの発生に関連している可能性が示唆されました。
https://doi.org/10.3390/healthcare9070852