チルゼパチド治療後の十二指腸潰瘍穿孔
チルゼパチド治療後に十二指腸潰瘍穿孔を認めた症例報告が、Cureus: Journal of Medical Science(IF=1.0)に掲載されました。チルゼパチドは2型糖尿病治療薬および肥満治療薬として注目されていますが、一定数の患者で消化器症状が出現することが知られています。従来、消化器症状は、嘔気など、用量増加時に出現するとされてきましたが、今回の症例ではチルゼパチド導入後から出現し、用量増加に伴い悪化していました。そのタイミングで十二指腸潰瘍穿孔が認められました。
患者はヘリコバクターピロリ感染症を有していたため、穿孔の原因がヘリコバクターピロリ単独によるものか、チルゼパチドによる影響か、断定することはできません。しかし、チルゼパチド用量増加時に穿孔が生じたことから、薬剤の影響も否定できません。
チルゼパチドによる消化器潰瘍の先行報告は存在しないため、査読者から厳しいコメントもありました。しかし、議論を断定しすぎることなく丁寧に展開し、修正を経てアクセプトに至りました。
チルゼパチドは急速にその使用が拡大しているため、今回の症例報告は臨床的に重要な知見となるでしょう。