セルフアウェアネス障害を伴う社会的行動障害患者に対する復職支援
社会行動障害および自己認識障害と診断された患者の職場復帰支援についての症例報告がJournal of Contemporary Psychotherapy誌(IF=2.6)に掲載されました。社会的行動障害は社会復帰の最も大きな阻害因子の一つです。本報告では、自己認識の障害を持つ患者を支援する際に、自己認識の複雑さを考慮しながら、自己モニタリングの方法を確立し、ポジティブな自己認識を再構築することの重要性を示しました。患者の自己認識のレベルを評価しながら、クライエント中心のアプローチを実践するためには、長い期間をかけて信頼関係を構築することが重要であることを報告しています。また、自己認識のレベルを評価するために、既存の面接や質問紙だけでなく、患者から見た自分の心身状況や行動を表現する作業が有効である点についても言及しています。この患者に用いたストラテジーは、今後、自己認識の不十分さによる社会的行動障害を持つ患者の治療に活用することができ、臨床的に非常に価値のある症例報告であると思われます。
https://link.springer.com/article/10.1007/s10879-021-09529-0